シュリンクラベラーの基礎知識

シュリンクラベラーの基礎知識

目次

シュリンク包装とは、熱収縮性を持つフィルムを対象物に被せ、加熱によってフィルムを収縮させる包装技術です。フィルムが製品形状に密着するため、商品保護・改ざん防止・商品価値向上・ラベル表示面積の拡大などの目的で広く利用されています。

今回の記事ではシュリンク包装機のパイオニアである協和電機株式会社がシュリンクラベルとその装着機であるラベラーについて詳しくご紹介します。

シュリンクラベルとは

熱収縮フィルムを筒状(スリーブ)に加工し、容器へ装着後に加熱することで容器形状に密着させるラベルです。

主な用途

  • 飲料ボトル
  • 調味料容器
  • 洗剤容器
  • 化粧品
  • 医薬品容器

など広範囲に普及しています。

シュリンクラベルのメリット

容器のラベルには紙ラベルやタックラベル等がありますがそれらに比較して以下のような特長があります。
① 全周デザインが可能
360°印刷が可能なため、高い商品訴求力を実現

② 容器形状の自由度向上
複雑な形状の容器にも対応可能

③ 小ロット多品種対応
印刷デザイン変更のみで商品展開しやすい

④ キャップシール兼用が可能
改ざん防止機能を付与できる

シュリンクラベルの歴史

ガラス瓶などのラベルは紙ラベルが主流でしたがプラスチックの普及発展によりシュリンクラベルが生まれました。

1960年代

PVC(塩ビ)フィルムの実用化によりシュリンクラベルが市場へ普及。
当初は単純な円筒容器への適用が中心でした。

1980年代

当時は、飲料容器のポイ捨ての増加・ごみ処理負担・リサイクル体制の未整備など課題が多く、1L未満の飲料用PETボトルは業界の自主規制がありました。その後、自治体による分別回収が拡大し、1995年には容器包装リサイクル法が成立。小型PET解禁の環境が整い始め、1996年4月1日に全国清涼飲料工業会が小型PETボトル(500ml、350mlなど)の自主規制を廃止、この年から国内メーカー各社が500ml飲料を本格展開し、コンビニや自販機で急速に普及しました。
500ml PETボトル解禁後、飲料市場は急拡大し、
・24本ケース包装
・マルチパック包装
・シュリンクラベル
・飲料物流向け二次包装
の需要が急増しました。
現在の飲料向けシュリンク包装市場が大きくなった背景には、1996年の小型PET解禁が大きく影響しています。

1990年代〜2000年代

環境対応と高収縮化が進展。
主流材料が
・PVC(ポリ塩化ビニル/塩ビ)
・PET-G(ポリエチレンテレフタレートグリコール)
・OPS(二軸延伸ポリスチレン)
へ多様化すると同時に複雑形状ボトルへの対応技術が発展しました。

現在

環境負荷低減を目的とし、
・リサイクル対応フィルム
・軽量化ボトル対応
・高精度位置合わせ技術
などが進化しています。

シュリンクラベラーのいろいろ

シュリンクラベラーとは

筒状(チューブ状)に貼り合されたロール状のラベルを供給し、
1.容器搬送
2.ラベル搬送
3.ラベルカット
4.容器への装着
を自動で行う機械です。処理能力に合わせてローターリー式と直線式の2機種があります。

ローターリー式(高能力)

概要:回転するターレット上で容器へラベル挿入する方式です
特徴:高速運転が可能で飲料工場など大量生産向けの機械です
能力の目安:300~1,200本/分以上
メリット:高能力かつ安定搬送と高い位置精度
デメリット:設備コストが高く、品種の切替えに時間がかかる場合がある

直線式(低能力)

概要:直線コンベヤ上で容器へラベルを装着する方式です
特徴:シンプルな構造なためコンパクトで低コストの機械です
能力の目安:20~300本/分
メリット:品種の切替えが容易でメンテナンス性が高く小ロット生産向きです
デメリット:高速化に限界があります

容器搬送方法のいろいろ

ラベラー性能を左右する重要な要素が容器搬送です

スクリュー搬送方式

特徴:スクリューの溝で容器間隔を整列させる
メリット:高速対応かつピッチ精度が高い
デメリット:容器ごとのスクリュー交換が必要

スターホイール搬送方式

特徴:星形ホイールポケットで容器を保持
メリット:高精度位置決めと高能力対応
デメリット:部品交換が必要

ベルト挟持方式

特徴:サイドベルトで容器を保持搬送
メリット:シンプルで汎用性が高い
デメリット:超高速運転には不向き

ネックハンドリング方式

特徴:容器ネック部を把持して搬送
メリット:容器胴部が変形しないため軽量PETボトルに最適
デメリット:ネック形状の制約がある

ラベルカット方式の方法いろいろ

シュリンクラベラーにおける重要技術の一つがカット機構です。

シザーズカット方式

概要:固定刃と可動刃によってハサミのように切断
特徴:切断品質が良く、比較的低速向けです

ロータリーカット方式

概要:回転刃による連続切断
特徴:高速運転向きで飲料向け主流方式です

ギロチンカット方式

概要:上下動する刃で切断します
特徴:構造がシンプルで中低速機向けです

サークルカット方式

概要:ラベル外周をカッター刃が1周し切断
特徴:カッターの切れ味が影響します

シュリンクラベラーの選定

シュリンクラベラーの選定では以下が重要となります。
・生産能力
・容器形状
・ラベル材質
・品種切替頻度
・メンテナンス性
・将来的な生産能力拡張

最適な方式を選択することで、高品質・高効率なシュリンクラベル装着が実現できます。

機械を採用する際には以下の注意が必要です。
・容器の温度 (温度が高いとラベルが収縮して挿入できません)
・ラベルの折径 (容器形状、外径に適したサイズ選択)
・容器の外観 (水分が付着していると挿入できません)
・シュリンクトンネルの選定 (仕上がり・能力に合わせた機種選定)

当社のシュリンクラベラーの特長

協和電機のシュリンクラベラーは容器もラインも選ばないシンプルでコンパクトな設計となっています。

・ガラス瓶、プラスチックボトル、缶などあらゆる容器に対応します
・ヒンジキャップ、扁平ボトルなどにも対応可能です
・ガロンボトルなど大型容器のキャップシールにも対応できます
・容器形状や容器材質、能力に合わせてフィルム折径を設定します
・容器や能力に合わせて搬送装置を選択します
・丸ボトルの回転位置合わせもできます
・既存のコンベア上への設置もできます
・製造ラインの状況に応じてコンベア等の設計を行います

各種装置は以下の通りです。

容器搬送方式(容器センターとラベルセンター合わせがポイント)

・ストッパー方式
・グリッパー方式
・スクリュー方式
・丸型容器位置合わせ方式

ラベル挿入・位置制御装置(容器形状やラベル位置による装置選択)

・マンドレル昇降装置(ラベル挿入補助)
・ラベル予備収縮装置(ラベル位置固定)
・ラベルたたき装置(プッシャによるラベル位置修正)
・ラベルずらし装置(ブラシによるラベル位置修正)

ミシン目加工装置(ラベルを剥がしやすくするための装置)

・縦・横ミシン目装置
・開封つまみ付カット仕様

印字装置(必要に応じて設置可能)

・サーマルプリンター
・ホットプリンター
・印字検査装置

ライン制御(製造ラインに応じて製品をコントロール)

・出入口容器渡り装置
・ライン制御ストッパー
・ラベル有無検知
・系外排出装置

 

シュリンクトンネルの重要性

シュリンクラベラーとシュリンクトンネルはセットで考えることが重要です。

シュリンクラベラーはボトルや容器にシュリンクラベルを正確に装着する役割を担います。しかし、ラベルを被せただけでは製品は完成しません。
その後の工程であるシュリンクトンネルによって熱を加え、ラベルを容器の形状に均一に収縮させることで、初めて美しい仕上がりが実現します。
つまり、

・シュリンクラベラー = ラベルを正確に装着する設備
・シュリンクトンネル = ラベルを美しく密着させる設備

という役割分担になります。

なぜトンネルが重要なのか

シュリンクトンネルの性能や設定が適切でない場合、

・シワが発生する
・収縮ムラが出る
・印刷が歪む
・ラベル位置がずれる
・商品価値が低下する

といった問題が発生します。
たとえ高性能なシュリンクラベラーを導入しても、シュリンクトンネルとの組み合わせや温度・風量・搬送速度の最適化が不十分であれば、期待した品質は得られません。

 

シュリンクラベラーに関するよくある質問

Q:対応できる容器の形状や材質にはどのようなものがありますか?

PE・PET・PPなどのプラスチックボトルのほか、ガラス瓶や缶など幅広い材質に対応可能です。形状も一般的な丸型・角型だけでなく、楕円・扁平ボトルやヒンジキャップ付き容器、ガロンボトルのような大型容器まで、形状に合わせた最適な搬送・装置機構をご提案します。

Q:処理能力(生産速度)はどのくらいですか?

大手飲料工場などで使われる高速ローターリー式(300~1200本/分以上)もありますが、当社の扱うシュリンクラベラーは直線式で低中速(20~300本/分)タイプとなっています。

Q:既存の生産ラインに後から組み込むことは可能ですか?

可能です。当社のシュリンクラベラーはコンパクトかつシンプルな設計を特長としており、既存コンベア上への設置やライン制御の連動にも柔軟に対応いたします。現場のスペースや製造ラインに合わせた設計・配置をご提案します。

Q:極薄フィルムや環境配慮型フィルムのも対応していますか?

対応可能です。近年主流となっている薄肉化フィルムやリサイクル対応フィルム、高収縮フィルムなど、各種材料・厚みに合わせたラベル送り機構やカット方式を選択・調整することで、安定稼働を実現します。

Q:容器サイズやラベルを切り替える際の型替え作業は簡単ですか?

品種切り替えがスムーズに行える設計を徹底しています。交換パーツを最小限に抑えて、工具レス調整とすることで、セットアップ 時間の短縮、作業者の負担軽減と稼働率向上を両立しています。

Q:メンテナンスや清掃の頻度はどの程度行う必要がありますか?

始業・終業時の清掃と定期的な可動部の給油・点検を推奨しています。清掃性やアクセス性に配慮した構造になっており、カッター刃などの消耗品交換も容易に行えるため、日々のメンテナンス作業を効率化できます。

Q:ラベル装着ズレや斜め被りが起きた場合、すぐに調整できますか?

容器温度の変化や容器への水分等の付着がないか?また、保管の問題でラベルが収縮していないか?確認が必要です。予備収縮装置やブラシ・プッシャーによる位置修正装置などを搭載している場合は、その装置を調整することで修正できます。

まとめ

シュリンクラベルは、商品のデザイン性を高めるだけでなく、改ざん防止や容器の保護など、商品価値を向上させる上で欠かせないものです。そして、その品質と生産性を左右するのが「シュリンクラベラー」の選定です。

容器の形状や材質、求められる処理能力、使用するフィルムの特性によって、最適な搬送方式やカット機構は異なります。自社の生産ラインに最も適した仕様を見極めることが、歩留まり向上やトラブル防止への第一歩となります。

シュリンク包装のことなら、パイオニアである協和電機にお任せください。協和電機株式会社では、長年培った技術と実績をもとに、あらゆる容器形状やライン条件に柔軟に対応するシュリンクラベラーをご提案しています。

「既存ラインのスペースに収めたい」「特殊な形状の容器に対応させたい」「品種切り替えを効率化したい」といった現場のご要望に合わせて、シンプルかつコンパクトな設計指針に基づいて、最適な機械をスピーディーにお届けします。

シュリンクラベラーの新規導入やリプレイス、既存ラインはの設置をご検討の際は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。専門のスタッフがお客様の製造現場に合わせた最適なソリューションをご提案します。

【この記事の著者】
代表取締役社長:一岡 幹朗
資格
 技術士 経営工学部門 第85354
経歴
 大阪大学 工学部機械工学科卒
 元 大日本印刷(株) 包装開発部門 部長
 元 大森機械工業(株) 取締役