食品包装の基礎知識とシュリンク包装の役割

食品包装の基礎知識とシュリンク包装の役割

包装には多くの役割・機能があり、機能の組み合わせによって、新たな機能を生み出すシステム的な効果があります。
その領域は幅広く、食品業界を始めとしてあらゆる産業の下支えとなっています。
包装資材の年間出荷金額は約6兆円となっており、販売される商品の10%が包装にかかる費用と言われていますので、包装は60兆円規模の産業に関わる産業と言えます。

その中でも、特に食品業界における包装は商品の鮮度や安全性を守り、消費者に「安心」を届けるための生命線です。近年はコスト削減や環境対応など、最適な包装方法の選定が企業の重要な経営課題となっています。

そこで今回の記事では、シュリンク包装機のパイオニアである協和電機株式会社が、食品包装の基本的な役割や種類、関連する法規制などの基礎知識を網羅的に解説します。さらに、食品業界で欠かせない「シュリンク包装」を導入するメリットやその役割についても詳しくご紹介します。

食品包装の基本知識

食品包装とは

食品包装とは、食品を外部環境から保護し、品質を長期間保存するための技術や素材のことです。

単なる「包み」ではなく、生産工場から消費者の食卓まで、食品の鮮度と安全性を保ったまま届けるために欠かせません。

空気や光、微生物の侵入を防いで食品の劣化を遅らせるとともに、「未開封で安全である」という事実を消費者に伝える重要な役割を果たしています。

食品包装の基本的な役割

食品包装は、食品の価値と安全を守るため、主に以下の3つの役割を担っています。

外部要因から食品を守る「保護機能」

流通時の落下や振動といった物理的衝撃、および異物混入を完全に防ぎます。また、紫外線による変色・酸化、温度変化といった環境リスクから食品を保護します。

美味しさと品質を長持ちさせる「鮮度保持機能」

気密性の高い包装で酸素や水分の出入りをコントロールし、微生物の繁殖を抑制します。風味の劣化や乾燥を防ぐことで、賞味期限の延長と食品ロス削減に貢献します。

消費者への「情報提供」と「安心感の付与」

原材料や賞味期限などの表示を通じて、安全な商品選びに必要な情報を提供します。さらに、密閉された状態を視覚的に示すことで直感的な「安心感」を与え、購買意欲を後押しします。

食品包装の種類と特徴

食品包装方法の種類

食品包装は微生物(菌・かび・酵母)の繁殖を防ぐことが第一の機能となります。
微生物の繁殖条件は➀水分、➁温度、③酸素であり、それぞれをコントロールすることで鮮度を保持することができます。 食品特性(水分量)や流通条件(温度)により、最適な包装方法は異なります。そして、酸素をコントロールすることは微生物の増殖を防ぐだけではなく、油脂の酸化による食品の劣化を防ぐこともできます。製造現場で広く採用されている酸素をコントロールする代表的な包装手法は以下の通りです。

真空包装

空気を吸引して無酸素状態にし、酸化や細菌の増殖を強力に防ぐ手法。長期間の鮮度保持に有効です。
【適した食品】ハムなどの加工肉、鮮魚、惣菜

ガス置換包装

空気を抜き、窒素などの保存に適したガスを充填する手法。酸化を防ぎつつ、真空包装と異なり見た目の外観に変わりはありません。
【適した食品】スナック菓子、カット野菜、焼き菓子、フリーズドライ商品

脱酸素剤封入包装

酸素を吸収する脱酸素剤と一緒に包装する手法。ガス置換包装と併用することでさらに効果が得られます。
【適した食品】半生菓子、焼き菓子
また、様々な包装形態がありますが、大きく内装と外装に分かれます。

代表的な内装(ピロー包装など)

フィルムを筒状にして熱接着する汎用性の高い手法。高速での連続処理が可能で大量生産に向き、フィルムへの印刷も容易です。
【適した食品】パン、個包装の菓子、冷凍食品

代表的な外装(シュリンク包装)

熱で収縮するフィルムを商品に密着させる手法。形状を問わず荷崩れを防ぐほか、「未開封」を視覚的に証明でき安全性をアピールできます。複数品のまとめ売りにも柔軟に対応可能です。
【適した食品】弁当、青果物、まとめ売り、ペットボトル飲料

主な包装資材の特徴と用途

包装方法と同様に「素材」の選択も重要です。食品の特性を最大限に活かすため、各素材の特徴を適材適所で使い分けます。

プラスチック(容器・フィルム・トレーなど)

特徴・利点:包装の発展はプラスチックの発展と共にあったと言えます。軽量で耐久性に優れ、成型性もあり、安価ながら付加価値の高い包装が可能となります。透明で中身が見える安心感があり、近年はバリア性の高いフィルムも普及しています。
用途:生鮮食品から加工食品まで、最も汎用性が高い素材です。

紙(紙器・ダンボール・紙管・紙カップ・紙袋など)

特徴・利点:剛性があり、外部衝撃から中身を守ります。そして、通気性と吸湿性があり、内部の過度な湿気や結露による痛みを防ぎます。リサイクル可能な天然素材として環境対応(SDGs)の面でも注目されています。
用途:あらゆる包装の外装に使われています。

金属(アルミ箔、スチール缶、アルミ缶など)

特徴・利点:極めて優れた「遮光性」と「完全な気密性」が最大の強みです。紫外線による油脂の酸化を防ぎ、酸素や水蒸気も完全に遮断して外部環境の影響を絶ちます。
用途:コーヒー豆や茶葉、スナック菓子の内袋、缶詰、レトルト食品など過酷な条件下での長期保存品。

ガラス

特徴・利点:透明感・重量感など素材の持つ圧倒的な高級感があります。また、化学的に非常に安定した無機質なので内容物の品質保持に優れています。 ただし、割れやすいと言う欠点があります。
用途:酒などの伝統的嗜好品、香水などの化粧品、広口茶ビン(薬剤保存)などの医薬品

特徴・利点:自然素材ならではの質感があり、伝統や格式を演出する機能があります。
生分解性を持ち、環境配慮型包装としても評価は高いです。
用途:樽酒などの伝統的嗜好品、経木、折詰弁当容器など

食品にシュリンク包装を利用するメリット・デメリット

メリット

シュリンク包装は単なる「包む手段」を超え、経営的な観点からも多くの利点をもたらします。

資材費と物流費の大幅な「コスト削減」

箱や専用ケースからシュリンクフィルムでのまとめ包装(マルチパック)に変更することで、資材費を30〜50%削減できるケースがあります。フィルムはロール状のため、保管スペースを従来の約1/10に圧縮可能。さらに余分な体積や重量を持たないため積載効率が向上し、物流コストの削減にも直結します。

食品の安全を守る「保護性の向上」

商品全体を強固にホールドし、輸送中の擦れや荷崩れを防止。また、破らなければ開封できない構造は、改ざんや異物混入のない「安全な状態」であることの確固たる証明となります。

消費者の購買意欲を刺激する「視覚的な魅力の増加」

特有の高い透明度とツヤが食品の新鮮さ(シズル感)を伝え、中身が見えることで消費者に安心感を与えます。ボトルのような複雑な形状でも360度のデザイン表示が可能であり、店頭でのアイキャッチ効果を高め、売上向上に大きく貢献します。

デメリット

シュリンク包装の導入にあたっては、以下の課題を正しく理解し、対策を講じることが重要です。

プラスチック使用による「環境への影響」

フィルムの多くがプラスチック製であるため、脱プラの世界的潮流において課題となります。特に食品包装は油などで汚れやすく、リサイクルが困難です。
【対策】 植物由来のバイオマスフィルムの採用、フィルムの薄肉化(使用量削減)、消費者が分別しやすい「ミシン目」加工の導入などが有効なアプローチです。

熱処理とフィルムの薄さゆえの「取り扱いの注意」

機器の温度や速度設定の不具合により、シワ寄りや穴あきといった収縮不良が発生するリスクがあります。少しの破れでも密閉性や安全性が損なわれます。
【対策】 自社の生産スピードや食品形状に最適な包装機械・シュリンクトンネルの選定、および日常的なメンテナンスと作業者への教育が不可欠です。

初期投資とランニングコストによる「コストの増加」

包装機本体や加熱用のシュリンクトンネルなど、一定の初期設備投資が必要です。また、加熱工程に伴う電気代(ランニングコスト)も増加します。
【対策】 長期的な費用対効果(ROI)で判断することが重要です。高価な資材費の削減、自動化による人件費削減、食品ロスの低減などにより、5〜10年のスパンで見ればトータルコストは大きくプラスに転じるケースがほとんどです。

食品包装に関する法律と規制

前章で触れた「品質保護」や「環境への配慮」をビジネスの現場で適切に実践するためには、食品包装を取り巻く法規制への正しい理解が不可欠です。包装設計や機器導入の際に絶対に避けて通れない、2つの重要な法律について解説します。

食品衛生法

食品衛生法は、飲食による健康被害を防ぐための法律です。食品そのものだけでなく、直接触れる「容器包装」の安全性についても厳格な基準を定めています。

包装材料の衛生基準

資材(プラスチックや紙など)から食品へ有害物質が溶出しないよう、材質ごとの規格が定められています。現在では使用可能な物質を規定する「ポジティブリスト制度」が導入されており、シュリンクフィルム等も当然この規格をクリアした資材を選ぶ義務があります。

製造・包装工程の衛生管理(HACCP)

資材が安全でも環境が不衛生では意味がありません。HACCPに沿った衛生管理が制度化されており、包装工程での異物混入や微生物汚染を防ぐ管理手順の遵守が求められます。

違反した場合は製品回収や行政処分を招くだけでなく、長年築き上げた「ブランドの信用」を瞬時に失います。確かな規格の資材を選び、衛生的に処理できる信頼性の高い包装機器を導入することは、企業を守る「最強の防具」となります。

容器包装リサイクル法

前章のデメリットでも触れた「プラスチック等の環境負荷」への対応として、食品衛生法と並んで理解すべき法律が、容器包装リサイクル法です。

目的と仕組み

家庭ごみの約6割(容積比)を占める容器包装廃棄物を削減し、資源として再利用することが目的です。消費者(分別排出)、市町村(分別収集)、メーカー等(再商品化の義務・コスト負担)が連携し、社会全体で資源を循環させる仕組みです。

分別を支えるメーカーの工夫

リサイクルの第一歩は、消費者が家庭で正しく分別することです。メーカーには「識別表示マーク」の記載に加え、直感的に分別できるパッケージ設計が求められます。例えば、ペットボトルのシュリンクラベル等に「ミシン目」を入れることで、ハサミを使わず手で簡単に剥がせるようになり、分別作業のストレスを大幅に軽減できます。

持続可能な社会への意義

リサイクルしやすい包装の採用は、資源の枯渇防止やCO2排出量の削減に直結します。環境問題への関心が高まる現代において、法の精神を実践することは単なる義務の枠を超え、「環境に優しい企業」としての社会的信頼を獲得する重要な経営戦略となります。

食品業界におけるシュリンク包装の役割

これまで見てきたように、食品包装には様々な方法と役割がありますが、その中でも「シュリンク包装」は単に「モノを包む」という作業を超え、現代の食品業界において極めて戦略的かつ重要な役割を担っています。

第一に、商品を隙間なく覆うことで流通過程での細菌やホコリの侵入をシャットアウトします。「破らなければ中身に触れられない」という特性は、改ざんや意図的な異物混入を防ぐ強力な防壁となり、消費者に食の「安全・安心」を視覚的に約束します。

第二に、高価な箱包装からフィルムでのまとめ包装(マルチパック)へ切り替えることで、資材費と物流コストを大幅に削減します。さらに、包装機械の導入による自動化は、製造現場の人手不足解消と生産スピードの向上を実現し、企業のコスト競争力を高める役割を果たしています。

まとめ

この記事では、食品包装が果たす品質保護や鮮度保持、環境配慮といった重要な役割について解説しました。

数ある包装の中でも「シュリンク包装」は、商品に隙間なく密着して、改ざんや異物混入を防ぐ高い安全性を確保します。さらに、資材・物流コストの削減や、透明フィルムによる見栄えの向上など、経営課題を解決し売上に直結する多くのメリットをもたらします。

シュリンク包装機器の導入をご検討の際は、ぜひ協和電機株式会社にご相談ください。当社は、シュリンク包装のパイオニアとして、長年にわたり数多くの食品メーカー様や販売代理店様に、最適な包装ソリューションを提供してまいりました。

食品の特性、工場の生産ライン、そして将来のコスト削減のビジョンに至るまで、お客様が抱える課題を深く理解し、高品質で安定した稼働を実現するシュリンク包装機やシュリンクトンネルをご提案いたします。

消費者に「誰も開けていない安全な状態」を確かな形で届け、食品の鮮度とブランドの価値を守り抜く。そのための強力なパートナーとして、協和電機株式会社の包装技術をお役立てください。機器の選定から導入後のサポートまで、専門知識を持ったスタッフが全力でサポートさせていただきます。

この記事の著者
協和電機株式会社
代表取締役社長:一岡 幹朗